第96回アカデミー賞 ノミネート作品発表

『ゴジラ-1.0』(ゴジラ マイナスワン)

第96回アカデミー賞 視覚効果賞ノミネートおめでとう!!

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2024年1月もひきつづき劇場で上映中なので、ノミネート記念に2回目を観に行きたい……!

そういえば、日比谷TOHOシネマズにゴジラ像(マイナスワンver)が建ったと聞いて、走って見に行ったのは昨年の夏のことでした(2023年7月)

【2024年刊行の小説】『シャーロック・ホームズの凱旋』

冒頭から、「最近のシャーロック・ホームズ氏は、ずっとグータラしている」など、何度でも「グータラ」「グータラ」「グータラ」が繰り返される、物語のリズム感。

シャーロック・ホームズのグータラ……ではなく、「「スランプ」」によって、友人ホームズへの思い、また、妻メアリへの思いを深く深く吐露していくワトソン。
友情と愛情についての話だった。

そして、特に説明もなく、たしかイギリス人のはずのワトソンが「鴨川沿い」を歩いて思案をめぐらせるシーンが描かれる小説、それが、『シャーロック・ホームズの凱旋』です。

シャーロック・ホームズの凱旋

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導入:大の大人たちが何やっているんだー!! と全力で突っ込みたくなるドタバタ → 次第に深くシリアスな事態に陥っていく…… という展開がとてもスムーズ。

これ以上ないほどの良い友人や、最愛の妻と共に日々を生きていても、長い人生に悩みは尽きず。それでも寄り添い、一緒に困難に乗り越えていこうと前向きな気持ちになれるお話でした。

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ちなみにキャラクターとして有名な「シャーロック・ホームズ」は、イギリスの作家コナン・ドイルが発表した小説が原典です。『シャーロック・ホームズの凱旋』には、原典の事件名やあらすじがわかりやすく散りばめられているので、『凱旋』→原典の順に読むと、きっと楽しいはず!*1


(以下、ネタバレあり)

*1:ごく一部の事件は『凱旋』でオチまで書かれてしまっているけど、原典は60作品もあるので、あまり気にしなくていいと個人的には思う。

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光る君へ〈2話〉

6年後。

ちやは刺殺事件の消えない影。

まひろは、男たちの心を詠む代筆仕事からうまれる小さな希望にすがる。藤原道兼が背負う深い業は、彼を一族の影に閉じ込める。従者は虫けらのように死んでしまった。三郎は、なぜあの日まひろが来なかったのかを教えてもらえない。あの日見た兄のことは覚えているのだろうか。

手紙にまつわる思惑について。

まひろの代筆仕事が転じて結んだ市井の小さな恋。しかし同じ都の空の下で、宮中で皇子を産み母となった詮子には、もう夫へ想いを綴ることは許されず、汚らわしいことなのだという。まひろはいつか、そんな宮中の女性たちの想いを知っていくのだろう。

ところで、まだ恋愛を深くは知らないまひろが大人たちの恋の歌の代筆をしているのは、すべて先人の歌を覚えて身につけた教養だけで詠んだということだろうか。漢文をそらんじ、歌を詠む神童ここにありという性格付けとして良いエピソードだと感じられた。


ロバートの秋山さんと、本郷奏多さんのキャラがとても強くてよかった。おふたりとも数カットしか出演されていないのに、爪痕を完璧に残していますねー。

うっかり! ダブり本

『超短編! 大どんでん返し Special』をダブらせた。

他の本と併せて予約 → 受取書店に到着する前に別の書店の店頭に立ち寄り、予約していたことをすこーんと忘れて買ってしまう王道パターンでやってしまいました。

『超短編! 大どんでん返し Special』は有名作家さんが大集合の本。かなりすごい執筆陣です。超短編だと中編~長編とはテイストが変わる感じがする方もいらっしゃるなあ、と思いました。特にミステリ作家さんは大仕掛けのトリックを封印すると、こんな作品をお書きになるのだなあ、とも。

> 出版社サイトより
浅倉秋成、麻布競馬場、阿津川辰海、綾崎隼、一穂ミチ、伊吹亜門、伊与原新、小川哲、織守きょうや、加藤シゲアキ、北山猛邦、京橋史織、紺野天龍、佐川恭一、澤村伊智、新川帆立、蝉谷めぐ実、竹本健治、直島翔、七尾与史、野崎まど、乗代雄介、藤崎翔、万城目学、真梨幸子、宮島未奈、桃野雑派、森晶麿、森見登美彦、谷津矢車、結城真一郎、柚月裕子、横関大、芦花公園(五十音順・敬称略)

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光る君へ〈1話〉

小さくも大きな不幸からはじまる長い物語。

登場人物それぞれが思うままに行動していたことで、ひとつの死が導き出されてしまった。また会う約束をした三郎と、それを急いだまひろの他にも、あの不幸のすそ野には無限のピースが存在する。

ちやはさんがお参りに通うようになったのは、うまく世の中を渡れない誰かがいたからではないか。

藤原道兼の心に残忍さと隙間風が棲みついたのは、彼に汚れたものを被せていた誰かがいたからではないか。

まひろは運命に打ち勝てるか。