光る君へ〈1話〉

小さくも大きな不幸からはじまる長い物語。

登場人物それぞれが思うままに行動していたことで、ひとつの死が導き出されてしまった。また会う約束をした三郎と、それを急いだまひろの他にも、あの不幸のすそ野には無限のピースが存在する。

ちやはさんがお参りに通うようになったのは、うまく世の中を渡れない誰かがいたからではないか。

藤原道兼の心に残忍さと隙間風が棲みついたのは、彼に汚れたものを被せていた誰かがいたからではないか。

まひろは運命に打ち勝てるか。